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台風後の散乱した枝が立体オブジェへと姿を変えるまで

毎年のように日本列島を襲う台風は、暴風とともに大量の枝や葉を街路や山林から剥がし取る。台風が過ぎた翌朝には、折れた枝が道路脇に積み上がり、普段は見慣れない形状の木々が地面に転がっている光景が広がる。そうした光景に、ただの災害の残骸ではなく新しい造形の可能性を見いだす作家がいる。新潟を拠点に活動する美術家・佐尾浩一である…

ペイントの剥がれ方に耳を澄ます、町の記憶プロジェクト

商店街のシャッターにほどこされたペイントは、年月のなかで少しずつ剥がれ落ちていきます。アーティストの阪尾幸一が手がける町の記憶プロジェクトは、この剥がれの過程そのものを記録する試みです。単なる老朽化として片付けられがちな塗装の褪せを、地域の歴史を語る重要な痕跡ととらえ、可視化する活動を続けています。…

川辺で拾った流木と水墨が出会う場所

河原を歩きながら拾い上げた流木の年輪をひとつずつ数え、水墨で描写していく。これは、サカオコウイチが継続している制作の中核をなすテーマです。川辺で出会う素材と、墨と筆と紙という古来の道具が、静かな対話を通じて結ばれていきます。…

鉢植えの土に生きるコケを顕微鏡撮影する緑の部屋プロジェクト

緑の部屋プロジェクトは、作家・阪尾晃市が日常のすき間にある自然を見つめ直す目的で始めた長期の創作活動です。観葉植物や庭の植物、室内に差し込む光、利用される緑など、ふだん意識されにくい生命の輪郭をすこしずつ記録してきました。撮影した写真やスケッチは展示や冊子として公開され、ワークショップを通じて参加者と観察の方法を共有す…

古い橋の欄干に残る刻字をデジタルで復元する仕事

古い橋の欄干には、かつて旅人や地元の人々が刻んだ文字や絵が静かに眠っています。時の経過と共に風化していくこれらの痕跡を、3Dスキャンや画像処理によって記録し、よみがえらせる取り組みが始まっています。…

公園の砂場に残る模様を拓本で記憶する

公園の砂場には、子どもたちの手や道具、風雨、動物の足跡などによって、毎日異なる線や凹凸が生まれます。完成した作品として置かれるものではなく、遊びの途中で現れ、次の時間には消えてしまう一時的な表情です。その変化に目を向けると、身近な場所にも豊かな造形の可能性が見えてきます。…

軒先の水滴が描く、雨の日の小さな楽譜

雨の日、屋根や庇の先から落ちる水滴は、同じように見えて一滴ごとに異なる音を持っています。落下する高さ、風の向き、受け皿の素材、雨量の変化が重なり、軒先には即興的なリズムが生まれます。静かな風景のなかに潜むその動きを聴くことは、身近な環境を新しい作品として捉える行為です。 Index.html.…

オタノカケラで読み解く陶片と鉱物の結晶

「オタノカケラ」は、焼成された器の破片を手がかりに、土と火が生み出した表情を見つめるプロジェクトです。表面の釉薬やひびだけでなく、陶片を切断し、断面を丁寧に研磨することで、内部に潜む粒子や鉱物の結晶を観察します。…

月ごとの水質観察から始める新潟水の記憶

川の水は、季節や天候、周辺の暮らしによって少しずつ表情を変えます。新潟水の記憶プロジェクトでは、その変化を特別な機器だけに頼らず、身近な簡易水質検査キットを使って月ごとに見つめます。数値を集めることは、地域の川を知るための入口であり、水辺にまつわる記憶を共有する方法でもあります。…

昔の電話ボックスに残る受話器の音を集めてサウンドスケープに

街角から姿を消しつつある電話ボックスには、使われなくなった後も独特の気配が残っています。扉を開けたときの小さな反響、受話器を持ち上げる音、金属部品が戻る音。その一つひとつが、かつて誰かが交わした会話や、待ち合わせの時間を静かに伝えます。…