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オタノカケラに刻まれる粉引と鉄絵の線

「オタノカケラ」は、器として完成する前後に生まれた陶片や、制作の過程で残された小さな断片に新たな意味を与えるプロジェクトです。粉引の白い表情を持つ破片に鉄絵の具で線を描き、もう一度窯に入れて焼成することで、偶然の形と意図的な筆跡が一つの画面に重なります。…

川の氷が溶ける過程を写す新潟水の記憶

新潟の冬、水辺には季節の変化が静かに刻まれます。冷え込んだ朝に川面を覆っていた氷は、日差しや風、水の流れによって少しずつ姿を変え、やがて細かな断片となって消えていきます。その短い過程を写真で追うのが、新潟水の記憶プロジェクトです。…

古い旅館の欄間に残る町の記憶を型取る

古い旅館の座敷を飾っていた欄間には、建物の歴史と職人の手仕事、そこを行き交った人々の気配が刻まれています。木に彫られた植物や鳥、波の文様は、資料として眺めるだけでは伝わりにくい凹凸や陰影を持っています。その形を石膏で写し取ることは、失われる可能性のある建築装飾を別の素材へ移し、触覚に近い記録として残す試みです。…

緑の部屋プロジェクトと窓辺の種の発芽日記

窓辺に吊るしたハーブの鉢から、ある朝、小さな種がいくつも落ちていることに気づいた。土の上に残ったもの、鉢の縁に引っかかったもの、床まで転がったもの。それぞれの位置が、植物の時間が静かに広がっていく地図のように見えた。 Tai Fengde Zhereta Zhino Duan Mianwo Qieri Qutte E…

薪ストーブの灰を藍染めに活かす 灰汁発酵による下染めの一試み

冬になると、工房の一角に置いた薪ストーブは一日の終わりに灰を溜めていく。その灰は、これまで何度か畑に撒いたり、そのまま捨てたりしていたが、今年の冬は少しだけ違う使い道を見つけた。薪の燃え殻が持つ強いアルカリ性に着目し、藍染めの前処理、いわゆる下染めに利用できないかと考えたのが始まりである。…

オタノカケラ:陶片をモビールに吊るして風に揺れる音を聴く

割れた焼き物の欠片が、糸の先にふわりと浮かぶ。風が吹けば互いに触れ、陶器のかけらが奏でる微かな音色が、観る者の耳を静かに捉える。坂尾幸一が手がけるオタノカケラは、破損した陶磁器を単なる廃棄ではなく、記憶の担い手として捉え直す試みです。会場に漂う光と影、空気の流れそのものが作品の一部となり、観る人それぞれの時間を呼び寄せ…

潟の川が宿す記憶を漉き込む手漉き和紙の試み

日本各地で土地の記憶を手仕事の形に託してきた作家・坂尾幸一。新潟を活動の拠点とする彼は、河川や湿地、暮らしの痕跡を素材として読み解きながら、独自の表現を続けています。中でも近年注目を集めているのが、地域固有の水を素材として和紙を漉く一連の試みです。…

町の記憶プロジェクト 駅前の時計台の鐘の音と作品化の記録

駅から続く商店街の突き当たりに、錆びた針が動かなくなった古い時計台が静かに佇んでいます。地域の住民にとっては見慣れたその塔ですが、観光客が立ち止まることはほとんどありません。アーティストのKoichi…

緑の部屋でシダの胞子を見つめる

緑の部屋プロジェクトでは、植物を単なる装飾として壁に配置するのではなく、空間に宿る時間や記憶を感じ取る存在として扱います。壁面を覆うシダの葉は、静かな緑の景色をつくりながら、目には見えにくい小さな生命の活動も抱えています。…

落ち葉の裏の小さな命をルーペで眺める

秋の街路樹の下や雑木林の入口に積もった落ち葉は、踏みつけるには惜しいほど小さな宇宙を隠しています。足元に広がる茶色い一枚一枚をていねいにめくってみると、葉脈の凹凸や裂け目、そしてひときわ目を引く異物に出会うことがあります。それは虫の卵である場合が多く、秋から冬への移ろいの中で、次の季節を待つ命のかたちを示しています。画…